排熱を有効活用!身近な熱を電気に変える|テレ東 9月12日(土)放送分 ブレイクスルー
巨大な工場やエアコンの室外機、そして我々人間……。実は、これらから排出される熱の多くが、利用されることなく捨てられている。経済的損失は年間6兆円にのぼるとも。そんな中、東京科学大学の松下祥子准教授は、こうした「未利用熱」を有効活用する新しい発電技術を開発した。小さなデバイスだけで、人の体温や室温といった低い温度でも電力に変換することができるという。新たな発電技術でエネルギー問題の解決に挑む開拓者に作家・相場英雄が迫る!
(出典:https://tver.jp/episodes/ep6je9bbrk)
半導体増感型熱利用発電(STC)とは?
東京科学大学(旧東京工業大学)の松下祥子准教授が提案しているのが、半導体増感型熱利用発電(Semiconductor-Sensitized Thermal Cell、略してSTC) という新しい熱エネルギー変換技術ですtitech.ac.jp。titech.ac.jp
地表の熱やエアコンの室外機、データセンターのサーバーから出る廃熱、人の体温、室温といった、これまで捨てられていた20〜80℃の低温の「未利用熱」を電気に変えられるのが最大の特徴です。datazoo.jp
従来の発電との違い
従来、熱を使った発電といえば地熱発電が有名ですが、マグマの熱を利用するため巨大な設備が必要で、設置場所も限られます。datazoo.jp一方、STCの装置はわずか5センチ四方の板一枚で、屋根の下や壁の中でも発電可能titech.ac.jp。datazoo.jp材料もシンプルで、熱を電気に変える半導体・対極となる部品・電気を通す電解液の3つだけ。松下准教授は発電効率を高めるため電解液の材料を独自に研究し、新たな発電メカニズムを構築しました。datazoo.jp
動作原理
STCは、半導体内の熱励起電荷が電解質イオンの酸化還元反応を起こすことで電力を生み出す仕組みです。titech.ac.jp設置温度で化学平衡に達すると放電は止まりますが、スイッチを切って別の平衡に移行させれば、再び放電が可能になります。titech.ac.jp
実用化への動き
この技術を社会実装するため、松下准教授は2023年に東京科学大学発スタートアップ「elleThermo(エレサーモ)」を設立しました。nikkei.com工場やデータセンターから出る低温廃熱を活用した発電を2028年までに実用化する計画で、量産・開発資金として第三者割当増資で8億3000万円を調達しています。nikkei.com
なぜ注目されるのか
松下准教授は中学時代から環境問題に関心を持ち、東京大学工学部で化学を学んだ後、理化学研究所で物理の知見を深めました。そして東日本大震災をきっかけに「日本に優位な自然エネルギーは何か」という問いからこの研究をスタートさせました。datazoo.jp石油価格に左右されず、放射性廃棄物も出さない、狭い国土でも安定的に発電できる——まさに日本に合った再生可能エネルギー技術として、欧米中露など世界各国で報じられています。titech.ac.jp

